◇◆◇ 冬の雨 ◇◆◇





雨が降る

冬の冷たい雨が・・・。



でも、私には、彼が戦死をした知らせのあった日に降っていた雨以上に

冷たく感じられたモノなど無い・・・。

彼の居ない世界

彼の死んでしまった世界

いや・・・彼を死なせてしまった世界

そんな世界の存在が許せなかった。

いっその事、世界が滅びてしまえばいい・・・。

そう思った。



私の冷たく闇に閉ざされた心に温かな光を当ててくれた存在。

それが、彼の遺してくれたあの子だった。



「おかぁさん!!みてみて!!ホラッ雪だよ!!」

あの子に手を握られハッと我に返る。

見ると冬の冷たい雨は雪へと変わっていた。

「とぅっても綺麗だネッ!!おかぁさん!!」

「ええ・・・そうね・・・。」

あなたは、彼が生きた証。

あなたは、私が生きる証。

あなたは・・・私達が愛し合えた証。



静かに降る雪に手を差し伸べる。

手の平に落ちた雪は瞬く間にとけて消えてしまう。

まるで儚い人の一生の様に

それは、時として絶望に囚われる事があるかもしれない。

だが人はそれを乗り越えて生き続ける。

儚くも短い人の一生を精一杯



あなたも見ている・・・?

この雪を・・・そして、この子を・・・。

ねぇ・・・マリウス。





*** END ***


  GEMさんから頂いたシェリーさんSSです!!(>▽<*
  クリスマス時期に頂いた素敵クリスマスプレゼント!
  クリスマスらしく、冬の雰囲気をすごく感じるお話で、とても綺麗だなと思いました(><*
  あの場面を思い出してうるっときましたが、コルネットのセリフで、私も心がほわんと温かくなりました!
  シェリーさんの気持ちがすごく伝わってくる、素敵なお話、ありがとうございます〜!!せつなくも暖かかったです!
  シェリーさんへの愛がこもった素敵なSS、ありがとうございました〜!!(>▽<